今日は大晦日ですが、いつもの日課なのでいつも通りブログを更新します。
今週はお知らせとかは特にないです。
ただDLsite版の電子書籍の新刊はあとで左の方に追加しておきますね(PC版ブログのみ)。
~デッドマキシマム第八話「ウサギの足」の裏話~
この話の敵となっている「サラエボの呪われた車」は随分前にその話を知って
「いつかネタにしてやるぞ」と考えていたものの、なかなかその機会に恵まれず
第五話でグリムの愛車をぶっこわし、改造させるという話の線を思いついた時に
「よし、ここで使おう!」と取り出してきました。
この呪われた車の顛末については電子書籍版第4巻のおまけで解説しますが
「もう待ちきれないよ、早く出してくれ」というせっかちな人は
google先生に聞いてみるといくつか出てくると思います。
ストーリーラインとしては暗い方向に作ることもできたと思いますが、
話の骨子が「呪いの車に絡めつつ、新車の性能を披露する」のが目的だったこと
プロットを考えた時に、冒頭でグリムが勝手にコケたことなどから
コミカル調の話に転がっていきました。
辛気臭い話で「スーパーカーのパワーを見せてやる」じゃ違和感ありますしね。
話を始める前に困ったことがひとつ。
僕自身、この話のウラを取るためにgoogle先生に質問したところ
「呪われた車は現在も存在し、博物館に展示されている」ことが分かってしまいました。
伝説の「第二次大戦の爆撃で消失した」というのが本当にただの伝説だったのです。
おのれブランデルとボア(元ネタ本の著者)。
しかし持ち主をソフィーと設定していたおかげで「精巧に作ったレプリカ」
という逃げ口実をつけることができました。
いやはや、金持ちキャラは便利だなあ(バットマンとかアイアンマンを見る)。
冒頭のくだりはうまくいったと思うんですが、問題は中盤以降で
いかにして呪いの車とグリムの愛車でチェイスを作っていくかで何度も試行錯誤しました。
なにしろ百年前の自動車と、外見は67年式でも中身は最新式のマスタングでは
まともな走りあいでもぶつかり合いでも勝負が目に見えます。
ネームは時間が迫っているのでいつも通りに終わらせたんですが、
途中からシリアスなムードになってしまい、前半と後半の齟齬を覚えつつ、
描きながら調整という手順を踏みました。
呪いの車が意思を持つというのはプロット段階から決まっていたんですが、
ようは「不幸な呪いをどううまく入れていくか」ちゃんと考えつけなかったんですね。
なので一度は呪いの車が飛んだり跳ねたりビルの壁面を走ったりしましたが
「不幸と対決する柱」が必要である、とようやくにして気づき
第七話でジャックが口にした「ウサギの足」と地獄から生き延びたキルシュの運を
絡めていくことでまとめる方向を見出せました。
でサブタイを「不幸と悪運」にいったん決めたんですが。
いやまてよ…と後になってから「悪運」について調べてみたら
「悪い事が起きても運よく助かった」ではなく
「悪い事をした奴なのに運よく助かった」が正しい意味であると判明。
「ベルセルク」では明らかに前者の意味で用いられており、僕もそれで登用したんですが、
なんてこったい、このまま通したらマンガハックの編集さんから突っ込まれてしまう。
というわけで途中でのサブタイ変更となりました。
一話完成してからの公開ではなく、製作しながらの公開だとこういうこともありますヽ(^o^)丿
途中5話に登場した黒人の依頼者が再登場したのは、
意味のないモブよりも、一度登場したキャラの方が受け入れやすいかなと思ったので。
あと作者の面白半分です。
信号機と自動車が同時に激突して、あげく電柱が倒れるシーンは
ドリフのコントみたいでけっこうお気に入りです。
ラストは十六夜散華でキメるということだけは決まっていて、
いったんは呪い車との水中戦のネームもあったんですが、
ウサギの足としてキルシュを介入させ、橋ごと真っ二つにして落ちた方がよい
と判断してあのようになりました。
…オチだけに。
ラスト3ページに登場する「ライオンの胴体にガチョウの頭と足」の奴は
分かる人には分かるモンスターです。
「こいつアレやないか!」と分かった方は
ブログなりSNSなりで吹聴してもらってもいっこうに構いません。
こいつは何者かよりも、どう暗躍するかをポイントとしていますので。
新年2日に投稿する第九話「傷痕」はツイッターでもちょろっと漏らしましたが、
グリムとキルシュが出会った時のお話になります。
ゾンビたちによるゴアシーンもありますが、
主題は「登場人物たちはそれぞれどんなスタンスで判断をくだしたか」です。
描いてる当人は、描きながら涙腺が緩んだりしてますが、
果たして読者もそうなってもらえるかは僕の演出力しだい (¦3[_____]ウーン
電子書籍関係ではまだ呟きたいことはあるけど、
語るネタが亡くなってしまうのでそれは次回。
~先週見た映画~
先週は「スパイダーマン・ホームカミング」を見ました。
他にもいくつか見たいものはあったんですけど、
やはり評判の良い注目作は早いとこ目を通したい。
アメコミヒーローだしね!
結論から言ってしまうとこれは100点満点の映画でした。
アメイジング・スパイダーマンシリーズではみんなが思っていた
「このピーターはどう見てもいじめられっ子じゃねえだろ」という不満点を排し
ちゃんとクラスの下層に見える子を起用している点がまず特大評価ですね。
(そのくらい、アメスパのピーターには違和感があった)
スパイダーマンのオリジンといえば避けて通れないベンおじさんのくだりを避けたのは、
「このくだりはもう何回もやってるからいいよね」的な配慮だと思います。
まあその通りですわ。メイおばさんが若いけど…これも最近の流れだし、
原作通りの老婆はライミ監督がやってくれたからいいや。
全編を通して上手いと思ったのは、トニー・スタークの使い方です。
父も叔父もいないピーターにとって、師として父代わりとしての立ち位置でアドバイスし
原作では長い期間を通してグレードアップしていったスーツの機能が
トニーのおかげで最初からほとんど(というかそれ以上)そろっているというのも秀逸。
親友ネッドも口は軽いけど有能で、友人として好感がもてます。
しかし何といってもやられたのは今回の敵バルチャーの立ち位置。
ネタバレになるので言えませんけど、ここぞというところで
「やられた!」とのけぞらされました。
お手本のように素晴らしい脚本には文句のつけようもありませんでした。
うーん、今後のスパイダーマンシリーズが楽しみですぞ。
ところでバルチャーの声が大川透さんだったんですが、
アントマンの時も悪役だったし、えーとたまにはヒーロー役も回してあげてください。
(大川ファン)
今週はお知らせとかは特にないです。
ただDLsite版の電子書籍の新刊はあとで左の方に追加しておきますね(PC版ブログのみ)。
~デッドマキシマム第八話「ウサギの足」の裏話~
この話の敵となっている「サラエボの呪われた車」は随分前にその話を知って
「いつかネタにしてやるぞ」と考えていたものの、なかなかその機会に恵まれず
第五話でグリムの愛車をぶっこわし、改造させるという話の線を思いついた時に
「よし、ここで使おう!」と取り出してきました。
この呪われた車の顛末については電子書籍版第4巻のおまけで解説しますが
「もう待ちきれないよ、早く出してくれ」というせっかちな人は
google先生に聞いてみるといくつか出てくると思います。
ストーリーラインとしては暗い方向に作ることもできたと思いますが、
話の骨子が「呪いの車に絡めつつ、新車の性能を披露する」のが目的だったこと
プロットを考えた時に、冒頭でグリムが勝手にコケたことなどから
コミカル調の話に転がっていきました。
辛気臭い話で「スーパーカーのパワーを見せてやる」じゃ違和感ありますしね。
話を始める前に困ったことがひとつ。
僕自身、この話のウラを取るためにgoogle先生に質問したところ
「呪われた車は現在も存在し、博物館に展示されている」ことが分かってしまいました。
伝説の「第二次大戦の爆撃で消失した」というのが本当にただの伝説だったのです。
おのれブランデルとボア(元ネタ本の著者)。
しかし持ち主をソフィーと設定していたおかげで「精巧に作ったレプリカ」
という逃げ口実をつけることができました。
いやはや、金持ちキャラは便利だなあ(バットマンとかアイアンマンを見る)。
冒頭のくだりはうまくいったと思うんですが、問題は中盤以降で
いかにして呪いの車とグリムの愛車でチェイスを作っていくかで何度も試行錯誤しました。
なにしろ百年前の自動車と、外見は67年式でも中身は最新式のマスタングでは
まともな走りあいでもぶつかり合いでも勝負が目に見えます。
ネームは時間が迫っているのでいつも通りに終わらせたんですが、
途中からシリアスなムードになってしまい、前半と後半の齟齬を覚えつつ、
描きながら調整という手順を踏みました。
呪いの車が意思を持つというのはプロット段階から決まっていたんですが、
ようは「不幸な呪いをどううまく入れていくか」ちゃんと考えつけなかったんですね。
なので一度は呪いの車が飛んだり跳ねたりビルの壁面を走ったりしましたが
「不幸と対決する柱」が必要である、とようやくにして気づき
第七話でジャックが口にした「ウサギの足」と地獄から生き延びたキルシュの運を
絡めていくことでまとめる方向を見出せました。
でサブタイを「不幸と悪運」にいったん決めたんですが。
いやまてよ…と後になってから「悪運」について調べてみたら
「悪い事が起きても運よく助かった」ではなく
「悪い事をした奴なのに運よく助かった」が正しい意味であると判明。
「ベルセルク」では明らかに前者の意味で用いられており、僕もそれで登用したんですが、
なんてこったい、このまま通したらマンガハックの編集さんから突っ込まれてしまう。
というわけで途中でのサブタイ変更となりました。
一話完成してからの公開ではなく、製作しながらの公開だとこういうこともありますヽ(^o^)丿
途中5話に登場した黒人の依頼者が再登場したのは、
意味のないモブよりも、一度登場したキャラの方が受け入れやすいかなと思ったので。
あと作者の面白半分です。
信号機と自動車が同時に激突して、あげく電柱が倒れるシーンは
ドリフのコントみたいでけっこうお気に入りです。
ラストは十六夜散華でキメるということだけは決まっていて、
いったんは呪い車との水中戦のネームもあったんですが、
ウサギの足としてキルシュを介入させ、橋ごと真っ二つにして落ちた方がよい
と判断してあのようになりました。
…オチだけに。
ラスト3ページに登場する「ライオンの胴体にガチョウの頭と足」の奴は
分かる人には分かるモンスターです。
「こいつアレやないか!」と分かった方は
ブログなりSNSなりで吹聴してもらってもいっこうに構いません。
こいつは何者かよりも、どう暗躍するかをポイントとしていますので。
新年2日に投稿する第九話「傷痕」はツイッターでもちょろっと漏らしましたが、
グリムとキルシュが出会った時のお話になります。
ゾンビたちによるゴアシーンもありますが、
主題は「登場人物たちはそれぞれどんなスタンスで判断をくだしたか」です。
描いてる当人は、描きながら涙腺が緩んだりしてますが、
果たして読者もそうなってもらえるかは僕の演出力しだい (¦3[_____]ウーン
電子書籍関係ではまだ呟きたいことはあるけど、
語るネタが亡くなってしまうのでそれは次回。
~先週見た映画~
先週は「スパイダーマン・ホームカミング」を見ました。
他にもいくつか見たいものはあったんですけど、
やはり評判の良い注目作は早いとこ目を通したい。
アメコミヒーローだしね!
結論から言ってしまうとこれは100点満点の映画でした。
アメイジング・スパイダーマンシリーズではみんなが思っていた
「このピーターはどう見てもいじめられっ子じゃねえだろ」という不満点を排し
ちゃんとクラスの下層に見える子を起用している点がまず特大評価ですね。
(そのくらい、アメスパのピーターには違和感があった)
スパイダーマンのオリジンといえば避けて通れないベンおじさんのくだりを避けたのは、
「このくだりはもう何回もやってるからいいよね」的な配慮だと思います。
まあその通りですわ。メイおばさんが若いけど…これも最近の流れだし、
原作通りの老婆はライミ監督がやってくれたからいいや。
全編を通して上手いと思ったのは、トニー・スタークの使い方です。
父も叔父もいないピーターにとって、師として父代わりとしての立ち位置でアドバイスし
原作では長い期間を通してグレードアップしていったスーツの機能が
トニーのおかげで最初からほとんど(というかそれ以上)そろっているというのも秀逸。
親友ネッドも口は軽いけど有能で、友人として好感がもてます。
しかし何といってもやられたのは今回の敵バルチャーの立ち位置。
ネタバレになるので言えませんけど、ここぞというところで
「やられた!」とのけぞらされました。
お手本のように素晴らしい脚本には文句のつけようもありませんでした。
うーん、今後のスパイダーマンシリーズが楽しみですぞ。
ところでバルチャーの声が大川透さんだったんですが、
アントマンの時も悪役だったし、えーとたまにはヒーロー役も回してあげてください。
(大川ファン)